美術館巡りが好きなブロガーRie(@rieasianlife)です。
今回は、台南にある台湾最大の西洋作品を集めた博物館「奇美博物館」さんからお誘いをいただき取材させていただきました!
ずっと行きたいと思っていた施設で、行ってみて作品点数も規模も腰を抜かすほどにすごいの連続!
大広間「大廳」は撮影可能ですが、ゲート内「展廳」は撮影録画等解放されていないのですが、今回は特別に撮らせていただきましたので、しっかりご紹介いたします!
*本ページにはプロモーション内容が含まれています。
奇美博物館について
奇美博物館は、「台湾の松下幸之助」と言われる奇美実業の創業者「許文龍」さんが幼い頃から持ち続けていた夢が実現したロマンあふれる博物館。
奇美実業といえば、生活圏で知られているのは冷凍食品(肉まん美味しい)だったりしますが、工業分野では、合成樹脂・繊維・バイオテクノロジー・石油化学・電子部品などで活躍されている台湾を代表する企業。
引用:台南州立教育博物館(Wikipediaより)
そんな奇美実業の創立者「許文龍」さんが、幼い頃(日本統治時代)一番最初の無料で入れる公立の施設「台南州立教育博物館」に頻繁に通われており、そこに所蔵されていた芸術作品に感動。
「いつか大衆のための博物館を建てたい!」とずっと想い続けられていたそうです。
1989年2月に奇美藝術資料館を運営開始し、1992年に奇美実業本社の仁徳工場内の5階〜8階フロアが博物館として無料開放され、累計入場者数が1,000万人を超え。
その後、2015年1月1日に、今の場所(台南都会公園)に新館として開館。
「聽得懂的音樂,看得懂的畫(聞いてわかる音楽、見てわかる絵画)」をコンセプトに老弱男女、大衆のための垣根のない博物館を目指されています。
もちろん博物館に所蔵されている所蔵品は「全て本物」!
公開されている作品は、4,000点余りで、実は所蔵品全体の約3分の1。
倉庫にまだまだ眠っているそうです。
他にも芸術の分野に関する許文龍さんのエピソードとして。
2017年4月16日、台南の八田與一像が壊された時、許文龍さんがレプリカを所持していたため、いち早く修復のために提供。
5月8日の八田與一の命日である慰霊祭開催に間に合わせたという逸話が残っています。
詳しくはこちら:壊された八田与一像、台南・奇美博物館が週内に修復へ/台湾
奇美博物館への行き方
台南駅から行く場合
- 台南駅:高速鉄道シャトルバス「H31」に乗車「奇美博物館」下車(連絡バスなので無料です)
台南空港から行く場合
- 台南空港:バス「5」乗車「奇美博物館」下車
- 台南空港:バス「紅3」乗車「奇美博物館」下車
- 台南空港:バス「紅3−1」乗車「奇美博物館」下車(土日祝日のみ)
保安駅から行く場合
- 保安駅:バス「紅3」乗車「奇美博物館」下車
- 保安駅:バス「紅3−1」乗車「奇美博物館」下車
- 保安駅:バス「紅4」乗車「奇美博物館」下車
- 保安駅:徒歩10分〜15分、タクシーで約5分
高雄から行く場合
- 高雄駅:バス「A8046」乗車「奇美博物館」下車
- 高雄左營駅:バス「B8046」乗車「奇美博物館」下車
個人的におすすめなのは、博物館の最寄りの電車駅「保安駅」経由のルート。
保安駅も日本時代に作られた駅で、歴史を感じる建物は、かなり趣があります。
見忘れ注意!館内の紹介と必見スポット!
本当に、広い、ひろーーーい奇美博物館。
在住者ならば何度も行けばいいのですが、旅行者だとどう見学すれば効率がいいのかわからないと思います。
そこで今回は、館内の様子と私が個人的に絶対見るべきだと思った「必見スポット」も一緒にご紹介していきます!
奇美博物館外側の庭園
奇美博物館全体マップ
奇美博物館は建物だけでなく、庭園もすごく広く、全40ヘクタールもあります。
バスを降りて門をくぐった後もしばらく大きな噴水と石膏の並ぶ通りを歩いて中心の建物へ向かう作りになっています。
公園エリアも綺麗に手入れされており、博物館の周りで写真を撮ってる方や散歩している方とてもたくさんいらっしゃいました。
バリー作「テセウスとケンタウロスの戦い」
最初に現れる芸術作品は「奇美都會博物館園區」と書かれた入り口にあります。
彫刻家バリー(Antoine Louis BARYE)の「テセウスとケンタウロスの戦い」。
この作品には逸話があり、1894年にバリーファンがパリのセーヌ河のサン・ルイ島のバリー記念碑上部に設置していた複製品が第二次世界大戦で解け落ちてしまいます。
1999年にパリ市政府は記念碑を復元するにあたり、奇美博物館に作品の貸出を依頼、この作品の大型版の複製が2点作られ、1点はバリー記念碑の上に、もう1点は奇美博物館の入り口に設置されています。
その貸し出した元の本物作品は館内のロダンの部屋にありますよ!
アポロン噴水
まず入って一番に目に入るのはこの大きな「アポロン噴水」。
太陽神アポロンが、戦車に乗って海面から勢いよく現れるシーンを表現してるそうです。
文芸の神でもあるアポロンが、博物館の芸術作品を見守ってくれるように願いを込めて作られたそうです。
確かに、今にも動き出してで水面から実際に飛び出してきそう!!
この噴水は、ベルサイユ宮殿にある彫刻家テュビー(Jean Baptiste TUBY)作のアポロン噴水と等比してフランスの芸術家ジル・ペロー(Gilles PERRAULT)に委託し作られたもの。
実際にベルサイユ宮殿で3Dレーザー計測を行った後、3年間かけて模型を作成、制作期間計6年をかけ、フランス・スイス・イタリア・台湾の4カ国の作業チームで作られたそうです。
しかも、素材はミケランジェロでも使われているカッラーラ山の大理石!
もうこの時点でこの施設の規模の大きさが感じられます・・・!
オリンポス橋
12名のオリンポス山の神像が並ぶ「オリンポス橋」を通れば、建物はもうすぐ。
現世からオリンポス神殿へ足を踏み入れる意味合いを込めてあるそうです。
アポロディーテ(ヴィーナス)像
博物館の英語の意味「MUSEUM」は、神話に登場する女神ミューズ由来していることから、9名のミューズたちがアポロンに率いられて、それぞれ詩・音楽・演劇・天文学を司っているそうです。
女神ミューズと博物館をつなぎ、創作活動が続いていくことを願って設置されています。
各銅像にはそれぞれの神像が象徴する意味が書かれているので、読んでみてください。
博物館の外観とミューズ広場
入り口から芸術品があってシャッターが止まらず、やっと博物館にたどり着きました笑
白亜の建物は台南の建築士蔡宜璋さんが設計。
博物館のてっぺんにある月桂冠と角笛を持った黄金レリーフ「栄光の天使(Angel of Glory)」は、創立者の許文龍さんが彫刻家バリアスの「栄誉の寓意(The Allegory of Fame)」を自ら模写したものだとか・・・!
また、建物の手前に広がる格子状の芝生「ミューズ広場」は、コンセプトとなったのがリビングの絨毯らしく、訪れた方が居心地よく過ごして欲しいという思いがあるそうです。
他にも園内には、ナルキッソス展望デッキ、キューピット橋、天使の願い池などたくさんの作品と風景のコラボ施設があります。
【1階】ホールエリア
入り口を入るとこんな天井の高いホールエリア。
ここでは、定期的に音楽会やイベントなどが開催されるそうです。
特に、吹き抜けの天井の丸い装飾がすごく綺麗で好きでした!
チケットカウンター
チケットカウンター
施設に入って右側に回るとチケットカウンターがあります。
入場チケット料金は、現在の特別展示「影子魔幻展」の場合は以下。
- 大人 入場券:200元、特別展:300元
- 学生 入場券:150元、特別展:250元
- 台南人、台南にある学校の学生 入場券:無料、特別展:250元
- 障害者、6歳以下の幼児 入場券:無料、特別展:無料
特別展の内容によってチケットの価格が変動します。
(詳しくは奇美博物館の公式サイトをご参照ください)
また、チケットの販売時間は、閉館1時間前16:30なので、気をつけてくださいね。
特別展示とのセットチケットを購入すると少しお得になります。
ちなみに、KKdayでもチケット販売されています。
奇美博物館の入場チケット
博物館にはいるチケットは、こちら!
展示スペースは改札のようなゲートを通る必要があり、その時に使用します。
機会ガイドレンタルカウンター
機械ですが、日本語ガイドもあります。
場所は、チケットカウンターの目の前1階のフロアの真ん中あたり。
音声オーディオガイドの1台あたりの金額は以下
- 個人ガイド機器:大人版120元(中国語、英語、日本語)
- 個人ガイド機器:子供版80元(中国語のみ)
- グループガイド機器:30元(中国語、英語、日本語)
グループガイド機器は、10名以上で貸出し可能、かつ予約が必要です。
この時は、期間限定で2台一緒に個人ガイド機器を借りると180元優待をしていました。
特別展に関しては、内容によって展示作品の解説もされているようです。
個人用のガイド機器
個人ガイド機器はこちら。
機械は借りるとき、保証金がわりに身分証を預けるので、用意しておいてくださいね。
ガイド機器を返却する時に、預けていた身分証は返してくれます。
各作品の説明にある番号を押すと、解説が聞けます。
無料ロッカー
ロッカーエリア
ロビーに入って左側に行くと、無料で使える大小のロッカーがあります。
最初に鍵をかけるためにコイン(荷物を出す時に戻ってきます)が必要になるので、用意しておいてくださいね。
また、貴重品や入りきらないものは、その隣のインフォメーションカウンターでも預かってくれるので相談してみてください。
無料USB充電ボックス
無料USB充電ボックス
これも嬉しい、携帯の無料充電ボックス!
鍵をかける時に10元コインが必要になりますが、戻ってくるので無料です。
お土産を買っている間やカフェ休憩中に、ここに預けて充電できるのは便利♪
お土産ショップとカフェ
お土産ショップとカフェ
博物館に行くと楽しみなのがお土産ショップ!
ここにはかなりの種類の芸術作品のレプリカやグッズがたくさんあります!
奇美博物館限定グッツや台湾の他の企業とのコラボグッズなどが購入できます。
絶対に覗いてください!
このお土産ショップの奥に軽食もあるカフェがあります。
販売されているグッズについて、詳しくは、こちらの記事にて紹介しています!
2023年6月 追記:お土産コーナーが2階に移動してました!1階はコンビニになってました!
特別展示ホール
特別展示「影子魔幻展」
期間限定の特別展示も1階にあります。
この時は影をテーマとした展示「影子魔幻展」が開催されていました。
影子魔幻展は、影が主役の作品展。
影って自分に属してるの?影って自分と同じ動きする?影って形はあるの?色は?などなどいくつかの質問を元に様々な影の作品が展開されています。
日本の芸術家も参加されていて、か・な・り面白かった!
自分の持っている影の概念が変わるかも!
期間中(2019/7/13-2020/6/2)いらっしゃる場合は、博物館だけじゃなく、是非、展示も見ていってください!
詳しくはこちら:【特展】有影無影?影子魔幻展
【1階】展示エリア
彫刻アベニュー:奇美博物館より提供写真
1階の入場ゲートを通るとまず現れるのは「彫刻アベニュー」。
様々な彫刻が明るい吹き抜けの光の下に並んでいてゆっくりじっくり見て回ることができます。
奇美博物館は、西洋芸術作品が多いです。
これは、台湾人に触れる機会が少ない西洋芸術に社会的立場を超えて、誰でも西洋芸術に触れられるようにという願いを込めて置かれているそうです。
ロダンホール
ロダンホール
まず1階の一番奥にあるのが「ロダンホール」。
ここはフランスの近代彫刻の父と言われる「フランソワ・オーギュスト・ルネ・ロダン(François Auguste René Rodin)」の時代背景、師、同輩、弟子たちの作品など、ロダンの一生を時系列に並べてあります。
ロダン作「考える人」
ここで見ないといけない作品は、もちろん部屋の真ん中にある詩人ダンテの瞑想する姿「考える人」!!!
私も初めて生の作品を見ました。
まさかこんなところで見れるなんて感動っっ!!!!
その隆々とした筋肉の様子と悩む表情をしっかりと見ることができます。
考える人の作品番号
この考える人が本物だという証拠でもある裏側の作品番号が彫刻の後ろにあります。
ロダンが作った全25体中、この作品は10体目に作られた作品です。
ここは必ず見ないといけない必見中の必見です!
兵器ホール
兵器ホール
奇美博物館の兵器ホールはヨーロッパとヨーロッパ以外に分かれていて、各地域の武器の時代遍歴を見ることができます。
もちろん日本の兜や刀などもありますよ。
西洋の拳銃の展示
ヨーロッパの拳銃の柄の部分の装飾も美しい!!
ここは男性が好きなスペースらしいですが、私もかなりテンションが上がっていました笑
それと個人的には、「アフリカの武器」や「インドの戦馬の甲冑」などあまり触れる機会のないアジアの兵器は印象的でした!
体験コーナー
また、体験コーナーもあり、兵器のレプリカを自分の手にとったり、かぶったり、武器の用途を当てるゲームをしたりできます。
私も体験してみました、実際の兵器と同じ重さなのですが、意外と軽い!
武器を触る機会はないので、この体験コーナーはすごく面白かったです。
子供が好きそうです♪
動物ホールと化石、隕石エリア
動物ホール
兵器ホールの奥に続いているのが「動物ホール」。
世界中の動物たちの標本が並んでいます。
まさに映画ナイトミュージアムの世界!
動物標本は、ガラスでの仕切りがなく開放的で、直に動物たちを観察することができます。
台湾の動物コーナー
台湾原種のコーナーもあります。
台湾野兎、梅花鹿、台湾黒熊、雲豹(ウンピョウ)などの台湾特有の動物たちも知ることができます。
動物ホールでは不定期にテーマに応じた学習用のカートが登場し、イベントが開催されるそうです。
休憩スペース
無料の飲料機
向かってロダンホールの左側に博物館の中で唯一の休憩スペースがあります。
無料でお水が飲める機械が2台あります。
またここから外に出ると、売店のあるテラスがあります。
奇美博物館館内の売店
ここでも庭園や野外彫刻を見ながら、ゆっくりと休憩できます。
台湾茶アイス
鉄観音茶アイス 100元
見学に疲れたので、この日は、台湾のお茶を使ったアイスを食べました。
他にも、奇美食品の100%台湾の果物を使ったアイスキャンデー「奇美食品純天然水果冰棒(45元)」もあります♪
【2階】展示エリア
彫刻アベニューの2階側視点
それでは、特に私が好きなものが多い2階の音楽と絵画を中心に展示エリアへ!
世界の伝統楽器エリア
世界の伝統楽器
このエリアでは、各国の伝統楽器がずらりと地域ごとに並べてあります。
アフリカの太鼓や弦楽器、ヨーロッパのアコーディオン、中国の縦笛や琵琶などなど、古代から現代にかけて各国の楽器を知ることができます。
古いものから新しいものまで、場所別で分けてあるけれど似ている楽器があったり、シルクロードなどを伝っていったのでは!など想像が膨らむスペースでした。
アメリカ製の台湾に2台しかないパイプオルガン(管風琴)
このエリアで一番見て欲しい楽器は、個人的にはこれ!
台湾に2台しかない1880年に作られたアメリカ製のウィリアム・ウィルソン(William M.Wilson)社のパイプオルガン(管風琴)です。
1964年に台湾駐在牧師だったスタンレー牧師(E. Stanley Smathers)の呼びかけにより、アメリカ海軍が「台南太平境教會」と「台南神学園の礼拝堂」へ運んだもの。
ここにあるのは、台南神学園の礼拝堂のもので、管理ができず学園の倉庫に眠っていたものを、博物館が新館に移るタイミングで修繕し保存されているそうです。
オーケストラ演奏
オーケストラの演奏「走入管弦樂團」
もう一つ疑似体験ができるのが、無料のオーケストラ演奏「走入管弦樂團」!
博物館と台湾の国家交響楽団(NSO)がタッグを組んだ作品で、各映像とスピーカーからそれぞれの音を出すことで、実際にそこで人が演奏しているかのような体験をすることができます。
演奏項目は、以下の3つ。
- スメタナ(Smetana)「我が祖国」
- 10:00、13:00、16:00
- ベートーベン(Beethoven)「第7交響曲・第二楽章」
- 11:00、14:00、17:00
- プロコフィエフ(Prokofiev)「騎士たちの踊り」から「ロミオとジュリエット」組曲
- 12:00、15:00
中央に指揮者の映像も映し出され、中央で聞いていると、自分が指揮者になった感覚になります。
これも必見です!是非タイミングを合わせて聞きに行ってください!
自動楽器の紹介
3丁のヴァイオリンとピアノの自動演奏装置「フォノリスト・ヴィオリーナ」
自動楽器のコーナーで一番みて欲しいのは、この自動演奏装置「フォノリスト・ヴィオリーナ(Phonoliszt-Violina)」。
「リストの音色」という意味のこの装置は、作曲家リストを記念してつけられた名前。
1942年ごろ(77年以上前)にドイツ製で、世界最大の自動演奏装置製造メーカー「フップフェルド(Hupfeld Musikwerke)社」のもの。
真ん中の丸い部分に3丁のバイオリンが入っていて、1,300本の馬の尻尾の毛でできた弓で演奏されます。
フォルテ、メッゾフォルテ、ピアノ、アクセントを表現でき、スタッカート、レガート、ビブラート、ポルタメント、トリルなどのテクニックも表現可能。
自動演奏装置でここまで巧妙な演奏ができるものは珍しく、博物館の中でも特に貴重な収蔵品の一つとのこと。
むしろ自動演奏装置の存在ですら、ここに来るまで知りませんでした。
ただでさえ難しいヴァイオリンのテクニックをここまで表現できる機械があるなんて驚き!
自動楽器小劇場
自動楽器小劇場の様子
それと中国語ですが、是非みて欲しいのがこの自動演奏装置の小劇場!
1日4回(11:30、14:30、15:30、16:30)の公演があり、1公演50元で見学することができます。
博物館と役者が手を組み、ストーリーに合わせて進められていくプチ演劇。
ちょっとだけ、バイオリンの自動楽器の演奏を動画でご紹介!
この音楽を奏でていたのはこの機械↓
この日実際に演奏された2丁のバイオリンとピアノを入れた自動演奏装置
劇中で、貴重な自動演奏装置の音色を生で聴くことができます!!!!
裕福な家庭用に作られた自動演奏装置ですが、もちろん、どれも本物ですよ!
博物館でただ文章や外観を見るだけでなく、実際に生演奏を聴くことができるなんて、なんてすごい企画なんだろう・・・!
芸術ホール
19世紀以前の絵画の部屋
19世紀よりも前、19世紀以降と時間の流れに沿って部屋が変わっていきます。
19世紀よりも前は宗教画が中心ですが、時代が進むにつれて、どんどん生活に移り変わっていく様子が絵画からも学ぶことができます。
アマーリング作「慈愛」
面白かったのがオーストリアの宮廷画家アマーリング(Friedrich von AMERLING)作「慈愛(Charity)」。
この絵画は一つは1854年に描かれた本物、もう一つは1858年に誰かが描いた模写。
どちらが本物か見分けられるでしょうか?
ハンス・マカルト作の「音樂的寓意」
また、この絵画エリアで外せないのが「画家の王」と呼ばれたオーストリアの画家ハンス・マカルト(Hans Makart)作の「音樂的寓意(Four Allegories of Music)」。
開館当初からある博物館最大の作品で、四隅に楽器(宗教音楽、舞踏音楽、軍楽、狩猟音楽)が描かれています。
正方形のこの絵画は部屋の天井に位置していて、真ん中にいる天使の柔らかい質感が優しい気持ちにさせてくれました。
元々は貿易商人の方の図書館の天井に掲げられていたものだそうです。
バイオリンの部屋
ここから、博物館で一番有名なバイオリンの部屋のご紹介です!
様々なバイオリンが並んでいる部屋ですが、特に奇美博物館で検索するとセットになって必ずでてくるものそれは「ストラディバリウス」!
ショーケースに入ったストラディバリウスを生で見ることができます。
まさか見れるとは思ってなかった・・・!
ストラディバリ製のバイオリンケース
また、とても珍しいものとして箱のストラディバリ工房が作った「バイオリンケース」。
このケースはかなりのレアもので、日本で以前ストラディバリだけを集めた展示会があった時に出展していたところ、バイオリンよりもこのケースに人が集まったと言われていました。
許さんご自身もバイオリンを愛し、嗜まれる方で「皆で分かち合い、共に楽しむ」という概念において、台湾における教育用とやコンクールのために良い楽器を使って欲しいと保険だけかけてもらえれば、無料貸し出しも行なっているそうです・・・!
うん億とするバイオリンを無料で貸し出すなんて、なんて太っ腹な・・・!
他にもバイオリンの制作過程が知れる百年工房もあります。
見学した感想
博物館の周りには植物がいっぱい
奇美博物館の方からご連絡をいただいた時、台南郊外にある施設なので、実はちょっと行くまでが億劫でした(笑)
友達に会いに行くついでに行くことにしたんですが、行ってみたら、そんな想いはすぐに吹き飛び、来てよかった!と思える本当に素晴らしい作品がたくさん!
バスで博物館まで行き、門をくぐった後目の前に現れるアポロン噴水でようやく自分が来た博物館の壮大さに気づきました。
もともと芸術作品が好きで、台北市内の現代博物館や美術館に通うこともしばしばあるのですが、やはり台南にある博物館かつ台湾を代表する企業奇美実業が運営する博物館なだけあり、規模が大きい!
テレビや教科書で知っていた芸術家の作品を生で見る事が台南でできるなんて!
ご紹介していただいていたガイドの方の話を聞くたびに終始「すごい!」の連発でした。
是非、台湾の実業家の夢を実現した博物館「奇美博物館」に足を運んで芸術に触れてみませんか?
奇美博物館から見える夕日
また、建物が真西向きを向いていることから、西に沈んでいく夕日を目の前に見ることができます。
太陽神アポロと夕日とのコラボレーションを狙うカメラマンたちが集まります。
特に秋分の日は、建物と夕日をまっすぐに見ることができます。
館内は撮影禁止ですが、建物の外はもちろんOK!写真スポットとしても大注目です!
奇美博物館へのアクセスと詳細
奇美博物館(HP、Facebook、Instagram、YouTube)
時間 9:30〜17:30
電話 06 2660808
住所 台南市仁德區文華路二段66號