台湾の廟文化が好きなブロガーRie(@rieasianlife)です。
旧暦の年明け前後(除夕、初一、初二、初三、初四)は、台湾人家庭では、俗にいう拜拜マラソン(過年拜拜)真っ最中!!
各日にちで決まったお寺にお参りに行きます。
その拜拜マラソンの中で、初四にお参りに行くのが「お金の神様」。
今回はそんなお金の神様「財神」がいらっしゃる有名なお寺をご紹介します!
過年の拜拜(お参り)について
以前、春節ルールの記事でも少し紹介しましたが、春節の日によって担当されている神様が違います。
台湾のお正月やっちゃいけない15の事
お参りする場合、各日の担当神様は、以下の通り。
2022年1月31日:除夕(大晦日) | 土地神様(地基主)、家神様(家神)、ご先祖様 |
2022年2月1日:農曆初一(元旦) | 天の神様(天公) |
2022年2月2日:農曆初二 | ご先祖様 |
2022年2月3日:農曆初三 | 赤口日(赤狗日)のため、お参りはNG |
2022年2月4日:農曆初四 | 迎財神の日。お金の神様(財神爺)、火の神様(灶神)を迎える |
2022年2月5日:農曆初五 | お金の神様(財神爺)の誕生日←会社やお店でお参り |
参考:過年拜拜必去8間財神廟!財神爺怎麼拜?拜拜流程、拜拜禁忌一次看!
ちなみに、農曆初九(2022年2月9日)も玉皇大帝の誕生日なので、この日も玉皇大帝がいらっしゃる廟は賑やかになります。
台湾で使用されている3種類の暦(こよみ)について
烘爐地南山福德宮について
烘爐地の南山福德宮の歴史はかなり古いです。
起源は、福建省詔安県の秀篆鎮河美村の呂氏の祖先「華現公(德進)」を背負って、台湾に渡ってきた方々が開墾を始めたところから始まります。
茶山として開墾をし始めた時、3つの石板を発見し、そこに簡易的な祠を立てました。
この石板には、伝説があります。
寒い冬の日、お弁当を石板の上置いて奉納し、朝から仕事をしてお昼ご飯にいただこうとしたところ、お弁当がまだホカホカだったなんていう話も。
何やら霊験強いらしいと噂を聞きつけ、どんどんとお参りする方が増え、祠から民国41年(1952年)に石の小さな廟が立てられ、土地婆という奥さんまで設置されています。
その後、民国56年(1967年)に人が入れるサイズの廟が建てられ、再建を繰り返し、現在の大きくて装飾も細かい廟になりました。
さらに、民国99年(2010年)に、山の中腹に財神殿を建築しています。
財神として有名な烘爐地ですが、最初にできたのは土地公の廟がある南山福德宮のため、2箇所あるお寺のうち、先に上の方にある南山福德宮にお参りに行くのをおすすめします。
烘爐地南山福德宮への行き方
南勢角(捷運路)駅
烘爐地南山福德宮は、ちょっと行きにくい山の上にあります。
バスで行く場合は、MRT南勢角駅の裏にあるバスの「南勢角」駅からバスに乗ります。(ただし、バス停同じ名前で2つあります!)
<祝日の場合:南勢角(捷運路)>
南勢角(捷運路)駅からF512バス乗車→烘爐地下車→連絡バス乗車or徒歩20分→到着
<平日の場合:南勢角(興南路)>
南勢角(興南路)駅から895バス乗車→烘爐地下車→連絡バス乗車or徒歩20分→到着
連絡バスも通常のバスも本数が多くないので、こんな感じでぎゅうぎゅうになります。
また、烘爐地から乗り換える連絡バスは山登り小型バスなので、通路に立つこと禁止。
席が埋まったら「乗るな!」と言われます。
その場合、やはりバス停で客引きしている乗合タクシーがお勧めです。
現地台湾人との乗り合いであれば、滅多にぼったくられないので、ご安心を。
到着したら連絡バスでまずは一番上へ
連絡バスやタクシーは、この駐車場のバス停あたりで下ろされると思います。
(帰る時もこのバス停でバスを待つorタクシーを拾います)
着いたら、さらに上へ移動するために、山の中の無料連絡バス(免費接駁車)に乗ります。
写真の建物の左側黄色いトンネルのところに入ると、連絡バス乗り場があります。
建物に入ると、比較的本数も多くバスが止まっています。
タイミング逃してもすぐ来ますよ。
こちらは結構大型のシャトルバスなので、かなり人が多くない限り乗れます。
山の上に到着したら、この長ーーーーい階段を登ります。
これ緩やかな斜面になってますが、結構な距離があるので、頑張って登ってください。
ちなみに、下山する際も行きと同じバス停を利用する(登ってきたバスに乗って降りる)ので、バスを降りた場所覚えておいてくださいね。
南山福德宮
坂を登るとこんな高さの背が低い装飾が素晴らしい廟が現れます。
この廟が「南山福德宮」で、こちらには土地神様(土地公)がいらっしゃいます。
建物は1階建てですが、場所はめちゃめちゃ高い場所にあります。
そのため、景色がよく、お参りの休憩に景色を見てる人もたくさんいます。
夕方になると夜景や夕日などを撮影するカメラマンもいらっしゃいますよ。
私が行ったのは、初四の昼過ぎ。
ちょうど財神のお参りの日なので、すごい人でした!
お正月特有の米粉で作った蒸しパン「發粿」の他に、御供物も大量で、フルーツとお菓子、棗スープ(紅棗枸杞茶かな?)などがお供えされてました。
あ、お供物はお参りした後持って帰って食べてくださいねー。
【台湾の伝統】春節定番の可愛い食べ物「發粿」の食べ方をご紹介!
人の間を縫ってやっと見れたこちらが、土地公「福德正神」。
そのすぐ隣に寄り添うような形で「土地婆」もいらっしゃいます。(仲良しですね^^)
このお二人のいる祭壇の下に虎爺もいるらしいんですが、この時人が多く遠くからしか見れなかったので、見えるかどうか確認できませんでした、残念!
【台湾の文化】至る所にある廟で神様を守っている「虎爺(フーイエ)」が好きすぎる!
山神星君、註生娘娘もいらっしゃいます。
また、正殿と後殿は建物がくっついている構造になっているのですが、そこに当初の石版の「土地公」、「招財童子(右側)」「進寶童子(左側)」もいらっしゃいます。
こちらもかなり長蛇の列ができてるので、根気よく並んでください。
この大きな銅像は、土地公の銅鑄神像(銅像)。
台湾で初めてパソコンでコントロールされた「換母錢(お金が貯まるお金に変えてくれる)」。
係員や他の人を見ていればやり方はわかるとは思いますが、公式サイトにもやり方が書いてありました。
1、土地公の手の上の元寶(お金の形をした物)に銅板(1元玉)を入れる。
2、土地公のひげ、棒、元寶を触る。
3、袖口から1元玉が出てくるので、それが「母錢」となります。
もらった母錢は、お財布に入れたり、お店の方はレジや金庫に貼り付けていたりします。
「一本萬利.母錢賺大錢」といって、1元が大金に変わるかもしれませんよ!
また、この時期は土地公の開運招財包も30元で購入できます。
中には、薬草やお札や塩が入っています。
母錢をこの中に入れて保管しても良いそうです。
インフォメーションカウンターも正殿の中(銅鑄神像のすぐ近く)にあります。
もし厄年などの方はここで安太歲や光明燈など案内してくれると思います。
(ちなみに、太歲殿はまた別のところにあります)
また、外に飛び出るように配置されているこの香炉は、天界で一番偉い神様「玉皇上帝」へ祈りを捧げて線香を刺す場所。
足元にある3匹の贔屭(ひき:亀のような伝説の生き物)が香炉を支え、左右にいる2匹の狻猊(さんげい:獅子のような伝説の生き物)が直接祈りを玉皇上帝に届けてくれるらしいです。
公式サイトの説明には左右の狻猊と書かれてるんですが、実際には麒麟か龍っぽいですよね汗
他にも、野菜が屋根にあったり。
縁起の良いコウモリのレリーフがたくさんあったり。
正殿の中の天井にはこんな可愛らしい仙女がいたりします!
細かい装飾を見るのも楽しいですよ!
それと休憩スポットもあり、アイス食べれます笑
味はうすーーーーい、よく自転車で売ってるような台湾の伝統的なアイスっぽい味でした。
ちなみに、この写真を撮っている休憩所には、彫刻家の王秀杞教授作の「阿公講古」という銅像もあります。
財神殿
連絡バスで下の階へ降りてきた時、駐車場の手前側(この大きな土地公がいるところ)が財神殿です。
ここは「五路財神」がメインの神様で、他に勉強や仕事の神様「文昌帝君」と恋愛の神様「月老星君」がいらっしゃいます。
ちなみに、財神殿に入るために登るこの階段はひたすら(452段らしい)上に登ると南山福德宮へ続いています。
体力がある方はここから登ってみてください汗
財神殿に入ると、こんな感じで天井にたくさんの灯篭がかかっていて、これは全て願いを込めたもの。(よく香港やベトナムの廟の天井にある、ぐるぐるな線香と同じような役目)
また、廟の形をしている絵馬のような「祈願牌」も大量にかけてあります。
祈願牌を書きたい方は、受付に行けば買えますよ。
また、敷地の奥にはこんな橋みたいなものがあります。
これは「天官五路財神橋」というもので、この橋を通ると運気が良くなるらしいです。
天官五路財神橋からさらに外に出た一番奥には「蓮花祈願池」もあります。
青龍が鎮座しており、大きな蓮の花と金の鯉のモニュメントがあります。
「源源不絕、生生不息之福祿財氣(要約:湧き出ることが止まらず、生き続ける幸福と金運)」が集まっているという意味らしい。
こちらがお金の神様「財神爺」。
めでたい赤い服を着た黒い髭の神様が、金ピカで光輝いています。
これは恋愛の神様、月下老人。
なぜか月下老人も金ピカでした、さすがお金の神様が有名な廟・・・!
この小さな神様が勉強や仕事の神様、文昌帝君。
三国志に出てくる天才軍師、諸葛孔明の元になった方で有名ですよね。
文昌帝君の前あたりのテーブルの上に、名刺入れが置いてあります。
ここに名刺を入れると会社の売り上げがアップするそうです。
(見たことのある会社名もちらほら・・・!)
他にもお米を奉納するケースもあったりしました。
また、ここにも聚寶盆というお金が増える鉢植えがあります。
これも1元硬貨をチャリンと真ん中に入れて撫でると、換母錢で母錢をいただけます。
ちなみに、聚寶盆の上辺りにある龍の足が飛び出てるレリーフめっちゃ珍しいのでは?と個人的に思ってます。
この何本も手が出てきて掴まれそうな迫力凄くないですか?
また、24時間のコンビニが財神殿の目の前にあるので、お供物のお菓子を買いたい方はここで購入できますよ。
このコンビニの建物の2階に廟の資料などが展示されている「廟史文物館」もあります。
ただ、文物館は24時間ではないので、行かれる際は、営業時間に気をつけてください。
駐車場からの眺め
以上、今回は農暦4日目、五日目(初四、五)に人気のスポット「烘爐地南山福德宮」のご紹介でした!
建物は宗教芸術的にも素晴らしい場所なので、芸術鑑賞目的であれば、この時期ではなく別の時期に行った方が写真や観察がもっとしっかりできると思いますよ。
ただ、その場合、タクシーやバスなどが本数が少ないと思うので、時間を気にするか、バイクや車で行くことをおすすめします。
烘爐地南山福德宮へのアクセスと詳細
烘爐地南山福德宮(HP、Facebook)
時間 24小時全年無休
電話 02-2942-5277
住所 新北市中和區興南路二段 399 巷 160-1 號
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