台北に住んでるのに、2〜3ヶ月に一回はふらっと気がついたら高雄に行っちゃう高雄大好きブロガーRie(@rieasianlife)です!
今回は、高雄の最新フォトスポットを紹介したいと思います。
現地台湾人でもあまり知っている人がいない穴場スポット。
インスタ映えだけでなく、歴史もいっぱい詰まった素敵なところでした。
宏南新村の歴史
高雄政府の文化遺産にも登録されている宏南新村。
登録情報が記載されている政府のサイトによると、日本統治時代に使われていた「第六海軍燃料工場跡」と「中油宏南宿舍群」。
いつこの建造物が作られたのかを表す「創建年代」の項目には「日治時期(待調查研究)」と書かれており、まだ資料収集中で公式的には2015/08/28に認定された時点では、分かっていませんでした。
つまり、今からもっともっと解明される謎物件の一つ。
この地区を管理しているのは「台灣中油股份有限公司」で台湾のガソリン燃料などを扱う会社。
文化遺産(文化景観)に登録された理由はこう書かれていました。
中油宏南宿舍建置於日治時期,為日本第六海軍燃料廠之附屬眷舍基地之一,歷史場域完整。且區內擁有許多老樹、鳥類,具有生態環境保存的價值。兩宿舍群落隨著歷史的演進,雖然陸續擴建,仍擁有高度產業共同體的群體社區認同與生活文化,具有特殊的產業文化特色。
引用:高雄市政府文化局
(意訳)中油宏南宿は日本統治時代に建てられ、日本の第六海軍燃料工場付属の社区(宿舎)の一つで、歴史を感じる場所として完璧である。区域内には、たくさんの老樹、鳥類を有しており、生態環境保存の価値がある。2宿舎群の歴史とともに、次々と拡大し続けたが、高度産業と共に宿舎群の生活文化を垣間見ることができ、特殊な産業文化としての特徴を持っている。
また別のサイト(打狗高雄|歷史與現在)にもう少し情報が掲載されていました。
日本第六海軍燃料工場は1944年に創立。当初の目的は、日本軍の南部進行計画でインドネシアやボルネオ島を得るための原油を提供する軍の燃料庫の役割があったそうです。
この日本軍の技術者の宿舎問題、特別宿舎、高級職員などの解決のために作られたのが、今回の宏南新村。
職員が住んでいた宿舎を「宏南宿舍(「宏毅新邨」と呼ばれた)」に対して、工場で働く方々が住んでいた宿舎がその東側にある宿舎群「後勁宿舍」だったらしい。
ちなみに、宏南新村は「宏南宿舍」と「宏毅宿舍」が合わさっています。
日本時代の宿舎形式には4種類あり、
- 第一級(將官)は1棟のみ
- 第二級(校官)7、8棟で、全て門が1つ
- 第三級(尉官)100棟程あり繋がってる
- 第四級(士官と士兵)
三級が集まっているのが宏南宿舍,第四級が集まっているのが宏毅宿舍。
1945年に日本が戦争で敗れ撤退した後、中國石油公司が引き継ぎ、中國石油公司の宿舎となり、宏毅新邨は「宏南宿舍區」と改名、高級職員宿舎は大陸からやってきた管理階級の方々の村となったそうです。
ロマンしか感じない!!!!
それでは、写真と動画でどんどん紹介していきたいと思います!
※中国語ですが、このサイトにかなり詳しく書かれていますので、もっと知りたい方はこちらを参照ください。→ 中油社區歷史發展與建築形式
どこにあるの?宏南新村までの経路をご案内
場所は高雄の赤ラインにある「世運/國家體育園區」駅から徒歩5分ほどの場所。
2番出口から出て北側(階段を降りて後ろに回り込んだ方向)へ向かいます。
こんな道をひたすら歩きます。
しばらく歩いているとこんな「宏南餐廳」っていう看板が見えたら、ここが入り口です。
入り口に管理人さんがいるので、観光をすることを伝えて入りました。
私が行った時は、身分証などは渡す必要なかったです。
ただ、中油会社の敷地になるので、一応挨拶はしたほうがいいと思います。
入るとすぐ目の前にロータリーがあるのですが、その後ろあたりに日本式の建物群が広がっているので、その時点ですでにテンションが上がります笑
撮影必須の写真スポット1
まずは、台湾人インスタグラマーの写真で一番撮影スポットとして登場する場所を紹介します!
入り口の管理人さんがいる場所から入って右に曲がった道路をまっすぐ奥に進むと、見えてくる青い建物です。(上の写真の奥の左手に見える建物)
両側が青いペンキで塗られた団地のような場所です。
他にも同じような棟があるのですが、ここだけが青い壁でした。
※人が住んでいるようだったので、住人に迷惑にならないように見学してくださいね。
箱を組み合わせたような形をしている不思議なデザイン。
四角いセメントで作られた格子が1階部分に続いています。
中は共同の洗濯機があったり、物干し竿があったり、物置的なところっぽかったです。
中は段差がりになっていて、階段と原付が置いてあったりしました。
自転車と洗濯干しもなんだかエモい。
遠近法を使ってこんなアー写風巨人写真も撮れます。
ちなみに、他の白い団地はこんな感じでした。
撮影必須の写真スポット2
団地群から西側には日式宿舎(社宅?)跡が広がっています。
こんな田舎の日本人には馴染みがある白い壁に瓦屋根の家。
こんな青い壁もあれば
台湾っぽい緑の壁もあります。
いくつかの家にはこんな「本宿舎已返還」の張り紙がしてありました。
この意味をちょうど民宿で一緒だった歴史に詳しいお兄さんに聞いてみたところ、「政府に」すでに返還されたっていう意味ではないかと話してました。
政府は研究にあたり所有者確認をしているのかもしれません。
一部の家はレンガの張替えなど修復工事をしてました。
これから保存用に生まれ変わるのかもしれません。
日式住居以外に、このまっすぐな通りも車がほぼ通らないので、写真スポットとして最適でした。
また、いたるところにこんな井戸ポンプが!
「<日多?> ケーホー号 津田型」とくっきりはっきり記載があり、日本時代のもので間違いないと思われます。
日本統治時代によく導入されていた「津田式ポンプ」は、1921(大正9)年に広島出身の津田喜次郎が発明した手押しポンプの一種。
ただ、名称が「ケーボー」ではなく「ケーホー」だったのと、津田式ではなく、津田型。
資料サイトによると、津田式は胴体に二箇所3本線があるのが特徴らしいんですが、このポンプはありませんでした。
珍しい植物もたくさん!
暑い南国高雄に雪積もった木のような花が咲いていました。
この花はみたことがない。なんていう花だろう?
この家は、なんだか黄色い実がなってるなぁーと近寄ってみると。
たっくさんの身をつけてちょうど収穫時期のスターフルーツの木でした!
台湾ではよくスターフルーツのドライフルーやジュースがあるんですが、実際に気になっているのは初めてみました。
沖縄県産フルーツ スターフルーツ1kg(1玉約100g~200g)
これもなんだろう、でっかいオレンジ色の花をつけた木が数本ありました。
行ってみた感想・まとめ
実際に、敷地内をみてまわっていて「あ〜ここでどんな人が住んでたんだろう」「このポストに新聞を入れてたのかな?」と想いを馳せる場所がたくさんありました。
だいぶ郊外にあり、周りは工場ばかりの場所ですが、やっぱり行ってよかった。
また新しい高雄の歴史の魅力を見つけた気がしました。
ちなみに、この地域は2010年に放送された台湾のドラマ「倪亞達」のロケ地でもあります。
アクセス・詳細
宏南新村(中油宏南宏毅宿舎群)
時間 昼間
住所 高雄市楠梓區宏毅一路
行き方や敷地内の様子はYoutubeでもアップしてます。
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