【台湾で働く】働いて初めて知った!新年仕事始めに台湾企業がやること

台湾で働く

新年快樂~あけましておめでとうございます!

台湾で駐在員として働いている台湾ブロガーRie(@rieasianlife)です!

台湾は旧暦の国。2019年のお正月は2月4日が元旦(初一)でした!

台湾でも営業開始初日(開工日)には、様々な習慣があります!

今回は、お正月が明けて企業がすることをご紹介したいと思います!

 

旧正月(春節)について

 

まずは、台湾のお正月カレンダーについてご紹介。

 

日本と同様に三ヶ日のような習慣があり、台湾の場合、大晦日から1週間ほどお休みがあります。

通常日本と同様お正月から3日間が祝日のため、2月8日(金)は出勤日ですが、1月19日(土)に振替出勤日だったので、実質2日〜10日の1年間で最大の9連休になりました。

 

 

通常は仕事始めは「初五」ですが、今年は土曜日。

サービス業など土日営業している職種を除き、公務員や一般的な事務所は2月11日(月)が営業開始日「開工日(カイゴンリー)」でした。

 

 

開工日(営業開始日)にすること

 

日本では会社の役員たちなどが1年の商売繁盛を願い初詣に行ったりしますが、台湾でも伝統的な儀式がいくつかあります。

台湾人スタッフでそういう伝統的な習慣に詳しい子がいたので、どんなことをやるのか聞いてみました!

 

拜拜:お参り

 

台湾でも日本と同じようにお参りをします。

 

仕事始めの「初五」は俗称「破五節」と呼ばれており、元旦〜初四までに溜まっていた年越しに溜まった悪いものやゴミを全て捨て去る意味があるそうです。

参考記事:壹週刊【農曆年習俗(六) 初五開工迎財神】

 

また、その日はお金の神様「五路財神」の誕生日。

五路財神とは趙公明をリーダーとする5人のお金の神様で、封神演義の伝説「金龍如意龍虎玄壇真君」から来ています。

  • 東路財神──簫昇(招寶天尊)
  • 南路財神──陳九公(招財使者)
  • 中路財神──趙公明
  • 西路財神──曹寶(納珍天尊)
  • 北路財神──姚少司(利市仙官)

そのため、この5人のお金の神様に1年の商売繁盛を祈ります。

また、その土地の神様「土地公」にもお祈りをします。

 

ただ、必ずしもお寺に行く必要があるわけではなく、事務所や会社の前にお参りの机を出して、お供え物を並べているところが多いです。

 

追記:会社のスタッフに会社でのお供えの順序を教えてもらいました!

1.お供え物を準備する。
2.蝋燭に火をつける。
3.線香をあげ、祈る(社名、登記住所、設立年月日を告げる)。
4.金紙を燃やす。
5.金紙を燃やした金爐の周りにお酒を撒く。
6.爆竹を鳴らす。
7.供え物を片付ける(みんなで美味しくいただきます)。
8.社員にお年玉を配り、今年は会社も社員も金運アップの意味があります。

 

また、各職業によってそれぞれの神様にお祈りをします。

うちの会社は、毎年の通例として台北の「行天宮(仕事の神様「関羽」がいます)」にお参りに行きました。

 

お供え物で必要なもの

一般的なお参りで必要なお供え物も決まっています。

  • 一對蠟燭:1セットのろうそく
  • 三牲:豚、鶏、魚
  • 水果(五樣):5種類のフルーツ
  • 發糕五個(招五路之財):發糕を5つ
  • 甜的湯圓四碗(領受四方之財):だんごスープ4杯
  • 糖果:アメ、甘いもの
  • 清茶三杯:お茶3杯
  • 酒三杯:お酒3杯

その他、縁起を担いで飾られるもので有名なものは、「パイナップル 」「みかん」「發糕」があります。

パイナップルの台湾語は「旺來(オンライ)」。福を呼び寄せ、運気が上がる意味があり、縁起物です。パイナップルの形をした物を飾るのこともあります。

みかんの中国語の発音は「吉」と似ており、縁起物、めでたい意味があります。今年もうまくいきますようにと願うお供え物です。

發糕の台湾語の発音は「ファッグエ」、台湾の伝統蒸しパンで、お金に関する縁起が良い食べ物。また大晦日にもよく食べられており、来年の財運がよくなるように願う意味があります。

 

お供え物は、言葉の引っ掛けになぞらえて用意することも多く、職業とも関係があり、職種によってはお供えしてはいけないものもあります。

例)不動産、車関連会社:なつめ(棗子)、オレンジ(柳橙)、バナナ(香蕉)

音をかけて、早(棗)日成(橙)交(蕉):早く契約が成立しますように。

例)美容系の会社:炭酸飲料水

美得冒泡:泡が弾ける様子のようにキラキラ美しくなるように。

例)公務員:卵は絶対にNG

卵は丸いので、試験の成績が悪くなるため。「完蛋」と言われる。

例)病院、消防関連:パイナップル(鳳梨)、マンゴー(芒果)はNG

パイナップルはちょっと発展させた意味で「旺旺來(どんどん来る)」と呼ばれるフルーツ、マンゴーは忙しいの意味の「忙」と同じ発音になるので、この2つの職業に人が来たり忙しくなるとあまり良い状況ではないので禁忌とされています。

逆にこれらのフルーツは商業をされる職種にはぴったりです。

 

 

行天宮でお参りの様子

 

職種によって神様が違うので、お寺も違うとは思いますが、一例として、お寺でのお参りの様子もご紹介します。

 

 

毎年入り口のお供え物屋さんでお供え物セットを購入します。

 

 

簡易セットですが、以下のものが入った1セット90元〜100元で買うことができます。

  • 金門壽星麵線(金門の素麺で長寿を願って)
  • 福緣壽糕(落雁のようなもの)
  • 寿桃(行天宮のものはもち米に龍眼が載っているもの)
  • 2種類のお花(花開くという意味)

 

 

行天宮はお参りの方法が決まっていて、ボランティアのかたがいらっしゃるので順番ややり方を教えてくれます。

女性と男性でお辞儀の仕方が違うんですよ^^

 

 

お寺ではこんな青い服を着た方々がお線香を持って一人一人厄払いをしてくれます。

新年のこの時期は、いつも以上に行列ができます。

本人が来れなくても、その方の洋服を持ってくるだけでも効果があるようで、子供の服を持ってきているおじいさんなどもいらっしゃいました。

 

初詣のお寺として台北だと、行天宮以外でも龍山寺も人気だそうですよ。

 

焚香燒金:神様のお金を燃やす

 

これはどんな行事でもやってるもので、神様にお金を捧げる行為です。

 

 

また、燃やす時に水とお茶(お酒)で燃やしているバケツのような「金爐」の周りに一周ふりかけて結界を作り、最後の一滴を金爐に掛けます。

これはお金を土地の神様「土地公」とお金の神様「五路財神」に捧げるという意味があるそうです。

 

鞭炮:爆竹

この時期になるといたるところで爆竹を鳴らしています。

だいたい3、4日間くらいはどこでもバンバンと大きな音を立てています。

爆竹の意味は「火」と「気」。

新年の売り上げ成績が「火紅」炎上(いい意味で)して運気が上がるように願ってやられます。

魔除けじゃないですよ!

 

 

路上にこの時期になると見かけるこんな、線状の黒い焦げ跡は、爆竹を鳴らした後です笑

 

 

開工紅包:営業開始のお年玉

仕事始めにもお年玉「開工紅包」を渡す習慣があります。

これは、スタッフに聞くまで私も知らなかったんですが、台湾企業では一般的だそうです。

ただ、これはよくある尾牙などのボーナスとは違い、少額でもOKだそうです。

年の初めにスタッフのお財布が潤うことで、1年間の収益の波を作り、会社(社長)にもお金がどんどん入って来るという意味があるそうです。

 

面白いニュースがありました!

通常都會發放金額200到3600元・・・挑在凌晨2點開工拜拜,老闆考量到時間太晚,因此不強制員工都要參加,但原PO卻選擇犧牲睡眠前往參加,結果居然得到一份超棒大禮。・・・從照片中可見,原PO所拿到的開工紅包裝著10張千元大鈔

引用:為了好時辰!老闆要求「凌晨2點開工」她熬夜參加 到場收到「超厚大紅包」樂歪:沒來的會哭!

意訳)通常200〜3600元・・・深夜2時に新年の仕事始めの拜拜をするので、社長が夜も遅いし強制参加はしないと言われたので、もう寝ずに参加をしたら、ものすごく大きな紅包をもらえた!・・・投稿された写真をみたところ10枚の千元札

 

 

春聯

 

もちろん会社でも春聯を飾ります。

家と同じ入り口の門のところに縁起の良いものを入れます。

 

 

こんな可愛い干支にちなんだものもあるので、この時期に台湾に来た際は探してみてください^^

 

春酒:新年会

 

台湾では、忘年会は「尾牙」、新年会を「春酒」と言います。

2種類ありますが、両方するところは全てではなく、中小企業はだいたいどちらかを行います。

大きな企業は、ホテルを貸し切って、アイドルや歌手を読んで両方やったりするらしいですが。

 

この時に配られるのが一般的にボーナス(年終:獎金)と言われる「紅包」。

この紅包は、現金を渡す場合は経費で処理ができないので、クーポンや旅行券を渡すところもあったりします。

また、社長の給料として増やして、現金を渡す場合は、後々確定申告の時に収益とは別の「紅包費用」のような計上項目で出すことができるらしい・・・。

紅包は、一般的にはアルバイトはもらえません。もらえるのは正社員だけ。

 

 

その他、個人的にやったりするもの

そのほかしきたりではないですが、個人的にやったりすることもあります。

有名なのは「赤い服や新しい服を着ること」。

新年で縁起が良いのであえて赤い色の服を着て縁起をかつぐかたもいらっしゃいます。

 

年明け初めのご挨拶は、縁起のいい言葉「吉祥話」を書いたり、言ったりします。

  • 恭喜發財
  • 歲歲平安
  • 步步高升
  • 鴻圖大展
  • 年年有餘
  • 大吉大利

他にもネットで探せば長文もあったりと、かなりいっぱいあります。

 

また、今年は豚年なので、こんな風に書いたりします。

https://www.youtube.com/watch?time_continue=20&v=ppvkrUoLO8Q

毎年干支がわかるたびに吉祥話は変わるので、頭の回転の良さと語彙力が鍛えられます笑

 

参考資料:豬年豬事順利/初五開工怎麼拜?這些一定要準備

 

 

まとめ

台湾企業の仕事始めの様子をご紹介しました。

働いていないとわからない習慣がたくさんあります。

なかなか観光では知ることができないことがあったりするので、歴史や習慣を知ることができて面白い!

日系企業だと特に知らないことだらけ、私もスタッフに教えてもらって初めて知った項目もたくさんあります。

特に開工紅包~!

私全く知りませんでしたが、他の台湾企業では常識とのこと。

面白いですねー!

 

 

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