仕事柄、台湾の健康食品や化粧品の事情には敏感で、常に資料集めしてます。
面白い記事があったので、メモがてら翻訳紹介。
<豆知識>
台湾の「(中国語)健康食品」は日本の「(日本語)健康食品」と意味合いが違います。
台湾では、日本のトクホ=健康食品であり、それ以外は一般食品に分類されます。
今回の記事は、日本でいうサプリメントなどの健康食品と意味が近しい分類の「保健食品」に関する記事です。
データ引用元
台湾の産業経済統計局が出している、2017年9月25日に出された、栄養保健食品の市場価値及び輸出に関するリリース記事です。
▶︎原文はこちら:產業經濟統計簡訊 – 營養保健食品產值及出口多呈逐年上升
台湾における健康食品の市場規模
資料元:經濟部統計處
我國營養保健食品產值統計(台湾における栄養保健食品の市場規模)
99年あたりに大きく成長していますが、それ以降は鳴かず飛ばず、106年(2017年)に7.3%の上昇がみえます。
統計局の報告書によると、健康意識の工場、人口が少子高齢化に向かっていることで、予防として保健お及び子供の健康における重要度が上がっているため、サプリメントなどの補助食品を摂取する傾向が強まったのではないだろうかとのことです。
また、102年(2013年)から103年(2014年)に、成長率(▲16.4%)市場規模(▲23.1)共に下降している要因としては、この辺りに食問題(黒心油問題)などが発生し、消費者が口に含むものに対して敏感になったことが考えられます。
資料元:經濟部統計處
我國營養保健食品內銷比率(台湾国内における保健食品の販売量推移)
上記は内需の推移を表したものですが、105年には92.3%とどんどん内需は下降傾向にあります。
ただ、その代わりに外需(輸出)比率は上昇しており、102年には5%、105年には7.7%と徐々に上昇が見られています。
資料元:財政部關稅署。
備考:輸出入額は、海關稅則號別 0410001000、1602101000…等 23 項より参照。
我國營養保健食品出進口值(台湾における栄養保健食品の輸出入額)出口=輸出、進口=輸入
105年の輸出額も1.06億米ドルと過去最高の記録を出しており、以降10年間の平均成長率は16.3%に達すると言われています。
105年以降の輸出商品内訳を見ると以下とのことです。
- 保健関連のカプセル、打錠、粒状粉末の商品:66.9%
- 幼児用食品及び哺乳補助食品:2.6%
- その他栄養保健食品:30%
また、105年の輸入総額は4億ドルで、毎年1%程度ずつ上昇している。
保健食品の輸出状況
資料元:財政部關稅署。
備考:東協十國=シンガポール、マレーシア、タイ、フィリピン、インドネシア、ブルネイ、ベトナム、ラオス、ミャンマー及びカンボジア。
營養保健食品主要出口市場占比(保健食品の主要輸出市場割合)
台湾から他の国への輸出割合を見ると、中国大陸(マカオ、香港含む)への輸出が95年から100年にかけて大きく増加したものの、105年になって0.6ポイント下降しているのがわかる。
東南アジア10国、日本への輸出も現象傾向だが、韓国への輸出割合が伸びている。
保健食品の輸入状況
資料元:財政部關稅署。
備考:東協十國=シンガポール、マレーシア、タイ、フィリピン、インドネシア、ブルネイ、ベトナム、ラオス、ミャンマー及びカンボジア。
營養保健食品主要進口來源(保健食品の主要輸入市場)
上記は台湾への輸入国割合の図。
ヨーロッパアメリカからの輸入が多く、特にアメリカは105年48.5%と最も多く、95年36.8%と比較すると11.7ポイントも成長している。
輸入されている主な保健食品の割合は以下。
- 保健関連のカプセル、打錠、粒状粉末の商品:35.2%
- 疾患用食品:29.2%
- 幼児用食品及び哺乳補助食品:18.6%
まとめ
日本から今どんどん健康食品を販売されている起業さんが台湾に入ってきていますが、アメリカ・ヨーロッパには全然及ばない割合ですね。
また、サプリといえばアメリカ・ヨーロッパっていう認識は、台湾人と話していて根付いているのは確かですね。
ただ、輸入国に中国が入っていないのに少し驚いた。
いくら安心安全が心配される中国でも、割合的には入ってきそうなものなのにな。
統計データ見るの面白い。(←ただの感想w)
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