台湾人気が高まっている今、台湾を拠点にされているフリーランサーも増えています。
そこで、今回は、仮にフリーランサーの場合、どのようにすれば台湾で生活ができるのか考えてみました。
※法的にグレーな部分もございますので、参考程度にご覧ください。
台湾に住む日本人は、どんな方法で住んでいるの?
まず、日本人で台湾に滞在することができる方は、どんな方なのか。
現在、台湾に入国し、滞在可能なビザ(簽證)の種類は以下。
- 駐在員(就労ビザ:就業簽證)
- 留学生(学生ビザ:學生簽證)
- ワーキングホリディ(ワーホリビザ:打工簽證)
- 台湾法人の会社経営者(起業家ビザ:創業家簽證)
- ロングステイ(ロングステイビザ:退休簽證)
- 芸術家(自由藝術工作者)
- 旅行者(観光ビザ:觀光簽證)
- 駐在員の妻、未成年(家族呼び寄せビザ)
- 永住権を持つ方(5年以上台湾で就労した方)
- 台湾に帰化した方
- 台湾人の配偶者
- 求職者(最長6ヶ月まで滞在が可能)
など様々な条件が挙げられます。
フリーランサーではなく、台湾現地企業に就職するには?
2018年2月から施行された新しい制度「外國專業人才延攬及僱用法」もありますのでそちらもご参照ください。
フリーランサーが台湾に住む方法
様々な選択肢の中で、フリーランス(個人で仕事を請け負う方)として、台湾に滞在する(住む)方が利用される方法は、以下3つが多いようです。
- 芸術家(自由藝術工作者)
- 台湾法人の起業家(起業家ビザ:創業家簽證)
- 旅行者(観光ビザ:觀光簽證)
手に技術を持つ「芸術家(自由藝術工作者)」の場合
「外國專業人才延攬及僱用法(人才專法延攬)」という制度の中に「外國專業人才從事藝術工作許可及管理辦法(中国語サイト)」という法規があります。
この法規の対象となる「自由藝術工作者」とは、以下の分野において、国家的な知名度や利益があると文化部から認められた方になります。
- 視覚的な芸術
音楽、ダンス、美術、喜劇、環境芸術、撮影、研究、調査、製作、講座、審査など - 出版業
雑誌、新聞、書籍、版権、編集、翻訳、研究 - 文化的芸術
映画、ラジオ、テレビ、音楽など文化的創作物に従事する物、製作、出展、工房、講座、評価、競技、経営管理などの技術 - 工芸類
革製品、陶器、石材、ガラス、繊維、木材、竹細工、金属、漆喰などを創作または教育するもの - その他
文化部の認める方
審査には、各技術の成果物の提出もあるようです。
提出書類や詳細は、法規のページ(外國專業人才從事藝術工作許可及管理辦法)内にリンクしてあるpdfに記載してあるので、参照ください。
この方々は台湾で利益を得ることも認められています。
期限は最長3年。
期限が切れたらまた申請をし直すことで延長が可能のようです。
「文化部が認めた」という条件が曖昧なので、通る可能性もあります。
画家さんや作家さんなど自分の作品がある方は、作品を実績とともに申請してみると良いと思います!
この「外國專業人才延攬及僱用法(人才專法延攬)」の対象となるのは、「外國專業人才」「外國特定專業人才」「外國高級專業人才」の3種類の方々で、この3つの違いは以下。
外國專業人才 |
などに当てはまる人材。 |
---|---|
外國特定專業人才 | 政府期間が産業性と需要によって求めた人材で、海外技術標準の
など |
外國高級專業人才 | 「入出國及移民法」第25条第3項第2款に当てはまる「高級専門家」。 特殊技術または科学機構や研究および管理業務を行っている人材。 たとえば、科学、研究、工業及び商業の範囲において特殊能力を持っており、台湾の経済、産業、教育及び福利分野において、有効に発揮し、国際的な賞や栄誉などを得た者。
|
資料:經濟部投資審議委員會「外國專業人才延攬及僱用法及申辦就業金卡(經濟領域)簡介」より
pwcの資料で、各人材のできること&できないことグラフも掲載さてましたので、参考までに。
ちなみに、この方々が永住権(永久簽證)が取れるのかどうかという観点でも調べてみたんですが、どこにもはっきりと記載されている資料は見当たりませんでした。
移民局に直接おたづねください。
台湾で会社経営者「起業家」となる場合
会社経営者になれば、自分の会社から自分にビザを出すことができます。
「外國人來臺申請創業家簽證資格審查處理要點」という外国人起業家ビザ条件に関する公文書の個人起業家の部分見ると条件は以下。
七、外國人申請創新創業居留簽證,首次申請居留期間最長為一年,在臺事業符合下列條件之一者,得申請展延,並依附表所定資格條件之應備文件向內政部申請,由內政部轉請經濟部投審會審查,每次展延期間不得逾二年:
(一)最近一年或最近三年平均年營業收入達新臺幣三百萬元以上。
(二)最近一年或最近三年平均年營業費用達新臺幣一百萬元以上。
(三)聘僱全職臺籍員工數達三人以上。
(四)其他足資審核之營運實績,並經目的事業主管機關認定對國內經濟發展有貢獻。
要約すると、以下。
- 直近の1年or3年間の平均営業収入(売上)が300万元以上
- 直近の1年or3年間の平均営業費用(運営費:OPEX)が100万元以上
- スタッフを3人以上
- その他、台湾政府への貢献が認められた場合
どれか一つでも条件に満たせば更新できます(毎回更新は最長2年まで)。
どれも満たせない場合、1年目は問題ないですが、2年目以降のビザの更新ができません。
300万元は、日本円で約1,000万円ほど。。。
1年目でいきなりその額の売上をあげるのは、よほど儲かるビジネスプランを考えないと難しそうです。
例えば、知り合いだと、海外企業やミュージシャンが台湾で開くイベント代の肩代わりを一旦行い、回収費用を売上として計上していたりされています。粗利は少ないですが、売上は多い計算。
他には、台湾越境企業のプロモーション費用(WEB広告など)を肩代わりするとかだと、一気に売上年間1,000万は稼げそうですね。
前払いのデポジット式にしないと先に手出しすることになるので、それもきついですが。
上記いづれの方法も、海外企業からの収入による所得税がかかってくるので、その計算もお忘れなく。
人を雇う必要も出てきますので、その場合は以下を参照ください。
または、駐在事務所(辦事處)という形だと、収入を得ることはできませんが、ビザを発行することができます。
企業目線から、売上を立てられないのに、なぜ駐在所を作るのかというと、
- 進出前の市場調査
- 現地法人を建てる前の準備
- 現地企業スタッフと本社スタッフとの差別化
- ビザ発行のため
など、海外進出に本腰を入れる前段階や差別化をするため立てられるところが多いようです。
実際、越境EC販売であれば、運送コストや関税の問題はありますが、市場調査としてニミマムスタートができるので、現地に会社がある必要もないです。
その他、一般的な「フリーランサー」の場合
芸術家で国家レベルの方は一握り、起業するにはハードルが高い。そういう方で、台湾を拠点にされている方はどうされているのか。(むしろこの方々が一番多いと思います)
結論から言うと「観光ビザ(免簽證とも言われます)」を使用し、生活だけ台湾でするです。
日本の場合、パスポートの有効期限が3ヶ月以上あれば、観光客として台湾に入国することができます。
ただし、就労ビザや永住権など、働くことを許可されたビザではありません。
台湾で収入を得ることができません。
よって、日本に籍を置き、個人事業主やフリーランサーとして日本で収入を得ながら、台湾でお金を使い、観光ビザが切れる90日に1回ビザラン(国外に一度でて、再度台湾に入り直すこと)を行われている方が多いです。
台湾に籍を置かない観光ビザでは、保険に加入することもできないので、台湾での医療費は保険対象外。
出し替えおいて、日本で申請できる場合もありますが、診断書を出してもらえる大病院に行かなければいけせん。
保険適用外であっても、台湾の医療費は安いので、風邪程度であれば問題ないですが、入院などの場合は痛い出費です。
台湾の生活費物価についてはこの記事で紹介していますので、ご参照ください。
他にも、居留証がないので、現地の方を証人にしないと、住居契約や携帯契約ができなかったり、弊害はいくつかあります。
ただ、家については、大家さんによっては貸してくれる方もいたり、家を持たない民宿(ゲストハウス)生活をしたり、飛行場で買える課金式のSIMを使用するなど、対応策はたくさんあります。
台湾の民宿の様子はこちら。
まとめ
ローカルフードは比較的安く、人の性格も南国気質な台湾。
暑さを除けば、IT技術も発達しており快適、お金を出せば質の良い料理も食べることもできます。
私も、快適で楽チンな台湾に移住してしまったので、日本に住めなくなりました(笑)
ただ、海外に住むのは簡単ではありません。
その国の法律に触れないように生活しなければなりません。
特に、最後に紹介した観光ビザでのビザランは、何度も入出国を繰り返すことになり、イミグレーションの方から怪しまれる可能性もあります。
違法ではないので、今までその方法で台湾に住めなくなった!という話は聞いたことがありませんが、なかなかグレーな方法です。
まだ法が整備されていないからやれる技であり、コロコロ法律が変わる台湾。関連法案が出ないとも限りません。
リスク理解した上で、アンテナを張りつつ生活する必要がありますね。
こんな面白い書籍見つけました。参考にどうぞ^^