展示会には時間を見つけてでも行きたいアートクリエイティブ好きブロガーRie(@rieasianlife)です。
皆様は年一度台湾で開催されるクリエイティブの祭典「台灣文博會」をご存知でしょうか?
ランタンフェスティバルのように毎年様々な都市で開催されているこのイベントは、台湾国内のアーティストや文化を紹介する文化部主催の大きなイベント。
去年は嘉義で開催されていて、すごく評判がよく行きたかったんですが、いけず、今年は大好きな高雄で開催ときき「これはいかねば!」と日付を合わせて行ってきました!
その様子をご紹介しますー!
台灣文博會 Creative Expo Taiwan について
臺灣文博會 Creative Expo Taiwan
年に1回開催される「臺灣文博會 Creative Expo Taiwan」今年の2022年は高雄の「流行音樂中心」と「高雄展覽館」で開催されていました。
文化策展區 08.05-08.14|10:00-18:00 高雄流行音樂中心
文創品牌 & IP 授權 08.10-08.14|10:00-18:00(日曜17:00まで)高雄展覽館
公式サイト https://creativexpo.tw/
公式Instagram https://www.instagram.com/creativexpo.tw/
公式Facebook https://www.facebook.com/creativexpo.tw/
展示は2箇所に分かれて、内容も3種類ありました。
- 文化策展區:文化展示
- 文創品牌 :地方行政のブランド展示販売
- IP授權 :台湾クリエイターやブランドの展示販売
またこれに乗じて?他の場所でも展示会が様々開催されていましたが、こちらはまた別の記事にて。
※紹介したい内容が盛り沢山なので、今回は「文化展示」のご紹介記事です!
同時開催していた「文創品牌」についてはこちら
【レポート】2022年台湾各地のクリエイティブが大集結!「臺灣文博會 Creative Expo Taiwan」〜文創品牌 編〜
文化策展區
文化策展區map
文化策展區は、ライトレール「真愛碼頭」駅降りてすぐから「光榮碼頭」までの間で開催されていました。
今回展示されていたのブースは4つ。
- M4 工藝館:台湾の工芸展示
- M3 馬祖館:馬祖の地方文化展示
- M2 嘉義館:嘉義の地方文化展示
- M1 主題館:台湾全体の展示
今回は、真愛碼頭に近い工藝館から順番にみてきました!
工藝館(台湾の工芸展示)
工藝館(旅物SHOP)入り口
ここでは台湾の竹細工や木の皮を使った工芸など、日常で見かける伝統的な作品を見ることができました。
藁でできたトンネルを潜って、ブースに入っていきます。
工藝館(旅物SHOP)
みていると、あれ?しめ縄など、日本の伝統的なものも発見!
日本と台湾の混合文化も見ることができます。
もちろん台湾独特なものや材料もありますね。
工藝館(旅物SHOP)
紐やワラ、木の皮など、各材料を触ることができるのすごくよかった!
よく台湾の時代劇に出てくる、鶏を入れておく籠や台南の担仔麵を作るときにみたことがある竹でできた水切り籠などなど。
工藝館(旅物SHOP)
工藝館(旅物SHOP)
このブースは、い草のいい香りの畳を敷き詰められた椅子がある段上がりのスペース。
みんな靴を脱いで思い思いに空間を楽しんでいました。
椅子のスペースにはディスプレイが埋め込まれていて、伝統工芸を作る職人さんの様子と、the MEDIAN石岱芸が行うヨガのコンテンポラリダンス?が交互に流れていました。
ボーッとこの動画を眺めながら、畳に座るのも良い休憩になってよかったです。
工藝館(旅物SHOP)工藝的雙手
壁の上のほうに飾られていた写真は、職人さんの手の展示。
竹や月桃、ワラなどを長年編まれている職人さんの手は味のある経験を感じる手をされていますよね。
工藝館(旅物SHOP)
このブースは、「旅行」をテーマにした展示。
歴史を理解するだけでなく、有名ブランドと芸術家のコラボ作品も見ることができました。
工藝館(旅物SHOP)理想生活的物件
理想生活的物件というタイトルで作られた作品たち。
どこのブランドとのコラボかわかりますか?
右上:皮思達奇設計工作室(Pistacchi Design) x 臺灣手藺
左下:茶籽堂 x Aguce x 野桐工坊《包・融》
右下:筑子Chuzi Craft x ROUND ROUND《對話野餐提籃》
中でも私が知っていたのは、臺灣手藺と茶籽堂。
臺灣手藺は、私も以前購入したことがあるい草を使った製品を販売しているブランド。竹で編まれた足だけで立ってる椅子凄くないですか?座ったら壊れそう笑
茶籽堂は、みたことがある方も多いかも!シャンプーやボディーソープなどを販売しているケアブランドです。茶籽堂のメイン材料である「苦茶の油壺」をテーマに、Aguceと野桐工坊が具現化したもの。これバックなんですよ。
開催期間 |2022年8月5〜14日
指導機關 |文化部
主辦機關 |國立台灣工藝研究發展中心
承辦單位 |臺灣工藝聯盟總會
策展人 |許哲瑜、郭中元
策展單位 |樸實創意
展覽統籌 |吳靜芬、傅玥敏
企劃編輯 |沈岱樺、周季嬋
視覺設計團隊|中間研究室
藝術指導 |郭中元
視覺設計 |林鼎國
插畫設計 |常芷
影像製作團隊|黃覺深、李宥融、phodanfilm.
展場音樂監製 | ALLO Music Project 宋義威
創作單位 |Aguce、the MEDIAN石岱芸、蘇依屏老師、RoundRound、皮思達奇設計工作室、糸赤、茶籽堂、野桐工坊、筑子、黑生起司、臺灣手藺
合作單位 |樂誠創意、彼個所在
特別感謝 |悅山工坊、草鞋墩鄉土發展協會、台灣稻藝工坊、新社香蕉絲編織工坊、光織屋、亞銳創意工藝坊、張憲平工作室、里山織色纖維工坊、織竹工坊許秋鄉老師、陳雕刻處、WASHIDA
馬祖館(馬祖の地方文化展示)
馬祖館(眾霧釀島)暗夜聲引
馬祖館(眾霧釀島)暗夜聲引
馬祖館に入ると真っ暗で何も見えません。
この空間の名前は「暗夜聲引」。
暗闇の中で、聞こえてくる軍隊行列の音と閩東語、小窓から漏れる光の筋、時折照らされるライトに写る壁の文字。
本当に戦争時期の馬祖にタイムスリップしてしまったような気持ちになります(ちょっと怖い)
馬祖館(眾霧釀島)女人的島
馬祖館(眾霧釀島)女人的島
真っ暗闇から出ると灰色と真っ白な空間。
ここから、馬祖の4鄉5島の文化を展示が始まりました。
まず最初に目に入ったのは、365個の赤い小瓶に入れられた何かの作品「女人的島」。
直前の展示が怖かっただけに、血!?と思いましたが、これは名産の「赤麹」。
馬祖の女性たちの1年分の料理やお酒に使う赤麹だそうです。
馬祖館(眾霧釀島)眾神之島
太鼓やドラなど馬祖の方々が神々に捧げるお祭りの時に使用する道具の展示。
今回は、北竿の中澳口白馬尊王廟からいらっしゃったみたい。
特に、伝説のカエルの神様の伝説がある「鉄甲元帥」のお守りもありました。行ってみたい!!
馬祖館(眾霧釀島)海的鹹風
他にも、大きな昆布の展示。
作品説明に「大海就是馬祖人的冰箱(海は馬祖人の冷蔵庫)」との記載が。
以前、台北人の冷蔵庫はコンビニだという方の動画を見たことがあったので、なるほど、馬祖人は海なのか、と納得しました笑
馬祖館(眾霧釀島)透明的儀式
それと、馬祖といえば欠かせないのが、超高濃度のお酒「高粱酒」。
馬祖の方々はお酒がかなり強いらしい・・・。
戦地として秘密を多く持ってるイメージの馬祖の方々。
透明のショットグラスで訪れた観光客とお酒を酌み交わし、少しずつその秘密を打ち明かしているような展示でした。
馬祖館(眾霧釀島)売店
また、売店では特別に調合された記念のお酒や名産を売るBarコーナーも。
馬祖は離島なのでそう簡単に行くことができないため、すごく良い機会でしたよ!
さらに「馬祖島飲企劃 MASTU BAR HOPPING」として、高雄市内のバーとコラボし、馬祖カクテルが飲めるお店も紹介されていました!
開催期間 |2022年8月5〜14日
指導機關 |文化部
主辦機關 |連江縣政府文化處
策展人 |蔡沛原、邱筠
策展單位 |圖亞圖創意工作室有限公司
展覽統籌 |蔡沛原
藝術指導 |關達蔚
企劃編輯 |邱筠
企劃助理 |劉姮妤
戲劇編導 |關達蔚
視覺設計團隊|圖亞圖創意工作室有限公司
視覺設計 |蔡沛原
影像團隊 |食癮,拾影
展覽顧問 |廖億美、林怡華、鍾秉宏
合作藝術家 |張致中
合作單位 |極易股份有限公司、采宸企業有限公司、木罐子設計製作有限公司、伊日生活 YIRI LIVING、MQ Taipei Bar
特別感謝 |大浦Plus+、好多樣文化工作室、鹹味島合作社、聖育營造有限公司、王俊傑、王傳浩、曹芷屏、邱承宏、黃懷民
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嘉義館(嘉義の地方文化展示)
嘉義館(摩登時光)
3つ目の文化展示は「嘉義」!
嘉義は、日本時代に日本人が多く住んでいた場所で、日本ととても関係のある所です。
昔、友達の湾生のお母さんの記憶を辿る旅をしたことがあります。
あの時は、政府の資料を探して、たくさんの日本時代が残る場所を巡ったのを思い出しました。
嘉義館(摩登時光)大通小城
嘉義館(摩登時光)木
嘉義には阿里山があるというだけあり、木材がふんだんに使われていました。
キュレーターの黄さんに「この木材使ったあとどうするの?」と聞いてみたら、「また別の展示があるからそこで使う予定だよ」とのことでした。
嘉義館(摩登時光)嘉義樹木園
この植物の展示もすごく可愛かった!
嘉義は1908年に台湾総督府殖産局のゴム試験農園(現在、嘉義樹木園)ができ、様々な木の研究がされていた場所。
その時に研究されていた、外来樹の葉っぱを使った展示です。
もちろん、可愛いだけでなく、歴史経緯の説明展示もしてありましたよ!
嘉義館(摩登時光)水
嘉義館(摩登時光)嘉義火車站
また、当時台湾で最も「モダン(摩登)」な駅として有名だった嘉義車站。
その歴史展示もされていました。
私も以前行ったことがあるんですが、すごく歴史を感じる古い建物を今も使われていますよ!
日本時代の文章展示を見ることもできました。
「新高山主峰每天早上如常與太陽一起綻放笑顏,
我們這些放眼便能晀間的嘉義市民,真是太幸福了。」
-陳澄波,<嘉義市的藝術>,《嘉義市制五週年紀念誌》,1935
日本語原文も見せてもらったんですが、日本語もすごく綺麗で、中国語の翻訳もとても美しかったです!(資料庫で探したんですが、正確な日本語の詩が見つからない!見つけたら追記します、多分これ)
ちなみに、この詩を詠んでいる陳澄波さんは有名な画家で、第七回日本「帝國美術院展覽會」で入選され、二二八事件で嘉義駅前で命を絶たれた方です。
会場にも「展望諸羅城 Looking towards Chiayi」という作品が展示されてました。
嘉義館(摩登時光)
この木彫りの松竹梅の透かしすっごく懐かしい!!!!
昔の家の和室ふすまの上部にありました。まさか台湾でもみれるとは♡
嘉義で今でも作ってる職人さんがいらっしゃるのかな?
嘉義館(摩登時光)常民信仰
嘉義館(摩登時光)常民信仰
それとここでは私の大好きな廟文化についての紹介展示もされていました!!!
もうみた瞬間テンションMAX!!!!!
さらにちょうど行ったのが夕日の時間だったので、真っ赤な灯籠の光がすごく綺麗でした。
嘉義には伝統的な技術を守り続ける職人が多く、廟の数も多いそうで、様々な祭事で使用されるものが集められて展示されていました。
提灯は特注らしいです!私も特注したい!!!
嘉義館(摩登時光)祭拜用品
嘉義館(摩登時光)棒棒糖
嘉義にある2大廟「城隍廟」「地藏庵」のちょうど真ん中にあるのが東市場。
これらのお供物は東市場で購入できるものばかりとのこと。
農歴の7月は、城隍廟と地藏庵が月初と月末にイベントがある「輪普」の状態。
なので、「城隍放鬼,地藏收鬼」というらしいです(面白い!)
宗教とのつながりも非常に強い街なんですね!素敵すぎる!
開催期間 |2022年8月5〜14日
指導單位 |文化部、嘉義市政府
主辦單位 |嘉義市政府文化局
執行單位 |青沐+東海醫院設計工作室
策展人 |徐景亭、黃銘彰
視覺設計 |形容事物所 adj. everything
展場設計 |本埠|蔡嘉豪建築師事務所 B+P Architects
展場執行 |青沐設計、本埠|蔡嘉豪建築師事務所 B+P Architects
展覽文案 |黃銘彰、陳韋聿
參展單位 |大象設計潘岳麟、Wuba Yang
影像攝影 |簡子鑫 影像後期|姚宇聲
企劃活動執行|游昕嬡
導覽統籌 |何柏儒
城市品牌合作單位|嘉義女流會社
參與品牌 |湯城鵝行、里響咖啡、奮起福、林聰明沙鍋魚頭、錦龍醬油、新台灣餅舖
特別感謝 |行政院農委會林試所嘉義樹木園、財團法人陳澄波文化基金會
嘉義館(摩登時光)買ったもの
お土産ショップで、今回のイベントに合わせて嘉義特集が組まれた雑誌「本地」も購入してきました!
今回の展示内容についても書かれてあり、じっくり読んでます♪
記事で他にもこのときの旅で買ってきたものを紹介してます。
【高雄】2022年8月の高雄旅で買ってきたもの大公開!
主題館(台湾全体の展示)
主題館(群島共振)環島運動場/島嶼大飯店
最後に来たのは、メイン会場。
ここでは3種類【環島運動場/島嶼大飯店/寶島冰菓室】の展示をやっていました。
各地の方々がそれぞれの場所を紹介する「島嶼大飯店」では、ヘッドフォンとタッチパネル画面が用意されていて、自分の選ぶ選択肢によってぴったりな話を聞くことができます。
私は雨の基隆案内人の話を聞きました。
他にもたくさん話があったので、是非YouTubeとかで公開してくれないかなぁー!
それと、左下のスピーカーとパネルが円状に並んでいるブースも面白かった〜!
スピーカーの前の椅子に座ると、氷を砕く音や、氷売の自転車屋台の声、北極の氷が崩れる音などなど、それぞれ「氷」にまつわるAMSRを聞くことができます。
主題館(群島共振)寶島冰菓室
主題館(群島共振)寶島冰菓室
それと、メイン展示で一番好きだったのが、台湾各地のかき氷屋の歴史や文化を紹介する「寶島冰菓室」。
台湾各地の老舗かき氷屋さんの紹介地図がありました!
お店によって愛用している道具が全然違う!
スポイトなどすごく科学的な製法で作ってるところもあって、眼から鱗でした。
主題館(群島共振)寶島冰菓室
主題館(群島共振)冰・進口食材地圖
主題館(群島共振)冰・在地食材地圖
主題館(群島共振)
他にも、大きな壁を使って、かき氷の中のフルーツやトッピングはどこからくるの?各店の店主たちが使っているお皿は?などなどが紹介されています。
また自分で好きなかき氷を作ることもでき、面白かったですよ!
開催期間|2022年8月5〜14日
策展單位|豪華朗機工+莎妹工作室+水越設計
策展人|周育如
空間設計|張耀中、陳建同
視覺設計|柯瑜慧、張耀中、劉詠心、陳建同、高偉恩
插畫|劉詠心、陳建同、何若齊、李姿璇文案 林舒、張耀中、柯瑜慧、謝沛玲
陳設|郭人瑋
攝影|柯瑜慧
協助|張愛眉、周純如、汪美臻
合作單位|ICE+艾司加、白雪懷念清冰、光華冰菓店、米力、海蜜、莉莉水果店
參展單位|Choa asmr、ETHNOBEAT、GeosciencesPU、ICE MONSTER、ICE+艾司加、Peter_Neff、paleosurface、Scripps_Polar、sciencejenna、US_IceDrilling、Vito ASMR 、Yannick Dauby、一中豐仁冰、白雪懷念清冰、目映台北、光華冰菓店, 林偉鎮、阿倫冰店、春田氷亭、春一枝、海之冰、海蜜、莉莉水果店、蜷尾家、龍都冰果専業家、樺美食品股份有限公司、たまたま 慢食堂
おまけ
無所事事小海豹
今回の1番のフォトスポットは、このぷかぷか浮かんでいたキャラクターたち!
5キャラクターほどあったそうなのですが、3キャラクターだけ写真に収めることができました!
この白いアザラシは「無所事事小海豹」。
ダラーっとしてる表情がなんとも可愛いですよね!
VITA VITA ‧ 塔仔不正經
この猫のキャラクターは「VITA VITA ‧ 塔仔不正經」。
とっても元気が良さそうなテンション高めな表情ですw
ㄇㄚˊ幾
ウサギのキャラクターは「ㄇㄚˊ幾(まちこ) 」。
個人的にはこのウサギの子が一番好きだったかな♪
どのキャラクターもLINEスタンプで大人気のキャラクターたち。
イベントは終わったんですが、10月まで展示されてるらしいので、ぜひ台湾在住の方はみに行って写真を撮ってみてくださいー。
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