父が新竹に駐在しており、新竹とは何かと縁のあるブロガーRie(@rieasianlife)です。
今回は、先日ご紹介した2019年10月19日〜12月15日に開催中の「ロマンチック台三線芸術祭」の中で、新竹の山の中「北埔老街」で展示中の作品をご紹介します!
ロマンチック台三線芸術祭についてはこちら
【イベント】台湾を縦に走る台三線で開催中のロマンチック台三線芸術祭「內灣線鐵道美術館」開会式に参加してきました!
内湾線で展示中の作品はこちら
【イベント】新竹のローカル內湾線のロマンチック台三線芸術祭「鉄道美術館」作品紹介!
北埔老街について
北埔老街
北埔は新竹から車で1時間ほどの山の中にあり、客家人が95%以上住んでいる地域。
干し柿や客家料理が有名で、私は毎年ここへ干し柿を買いに行っています。
北埔老街はまさしく、今回開催されているロマンチック台三線芸術祭の「台三線」上にある観光地です。
北埔老街の歴史や見所はこちらで解説しています。
北埔老街への行き方
台灣好行の経路看板
北埔老街へは台湾の観光ルートを結ぶバス「台灣好行」で新竹の列車の駅、新幹線の駅などから行くことができます。
- 臺鐵竹北站 ←列車の方はここから
- 竹北口
- 新竹縣政府
- 新竹喜來登飯店
- 高鐵新竹站 ←新幹線の方はここから
- 綠獅社區站
- 文林閣站
- 竹東遊客中心
- 綠世界生態農場
- 膨風茶文物館
- 北埔老街 ←ここで降りる
- 峨眉站
- 獅山遊客中心
詳しくは公式サイトをご覧ください。
作品をご紹介!
イベントのポスター ロマンチック台三線芸術祭 提供
ロマンチック台三線芸術祭「北埔」のテーマは「未来的昔日」。
説明に「過去和未來的距離,我們如何丈量?(過去と未来の距離を私たちはどう測る?)」と書かれていました。
慈天宮修復前特展
この芸術祭が終わると、ポスターの中心にもある北埔老街の「北埔慈天宮」が改修工事に入ります。
お寺の中でも修復前展示会も開催されていて、寺内の彫り作品や壁など歴史とストーリーが解説してあるプレートが至る所においてあります。
中国語がわかる方は是非読んでみてください。
↑このイベント紹介動画もとっても素敵なので是非みてみてください^^
北埔エリアの作品地図
北埔老街以外にも北埔鄉の至る所で展示がされています。
北埔老街は歩いてみて回れるんですが、それ以外の地域は車がないと厳しいかも。
行かれる場合は、タクシーをチャーターした方が良さそうです。
私も全て見て回ることはできなかったので、見れた分だけ作品をご紹介して行きます!
北埔老街で展示されている作品
阮義忠「北埔」
まずは私が一番みたかった作品、阮義忠さんの「北埔」。
展示場所は北埔慈天宮の裏側にあります。
阮義忠さんは宜蘭県頭城出身の有名な写真家さん。
阮義忠さんを知ったのは、宜蘭に行ってうろうろしていたときにちょうど個展をされていてその世界観にすごく惹かれたのがきっかけでした。
阮義忠「北埔」
ポスターに使われている写真も阮義忠さんの作品。
1980年ー1985年の5年間、阮義忠さんは北埔に住まれていたらしく、その時に撮られた写真が展示されています。(写真集も出版されています)
30年以上前の北埔の様子がその時代にタイムスリップしたような気分になりました。
伊薩克·科達爾(Isaac Cordal)「街道敘事」
北埔老街で是非探して欲しいのが、伊薩克·科達爾(Isaac Cordal)さんの「街道敘事」。
この作品は北埔老街の路地の至る所(北埔慈天宮の左右と裏側)にあります。
それもすっごく小さな土人形たちで、なかなかつけられません。
伊薩克·科達爾(Isaac Cordal)「街道敘事」全9体
私もお父さんと手分けして、全9体探したのですが、全て探し終わるまでに1時間以上かかりました。
全て探し当てた時は達成感半端なかったです笑
詹姆士·塔普斯科特「Arc Zero」
小人のいるエリアから坂を上り森の方へ行った場所にあるのが詹姆士·塔普斯科特(James TAPSCOTT)さんの「Arc Zero」という作品。
木製の階段の周りに丸い霧を出す装置のトンネルがあり、そのトンネルは光り動きます。
黃博志「砍下一棵油桐樹」
これは、興城製材工場に配置されている黃博志さんの「砍下一棵油桐樹」という作品。
この作品は日本統治時代の歴史と関係があります。
油桐樹という木は、今では夏に降る雪として有名な木ですが、木材として流通していた木です。
ただ、油桐樹は育てるのに時間がかかる。
そのため、注文を受けたときに、すごく似ている「梧桐樹(アオギリ)」という育ちも早い木を油桐樹と偽って売っていたと言う歴史的エピソードがあるそうです。
澎葉生、蔡宛璇「北方的埔地」
ここは姜阿新洋樓(有料入場)の1階にある澎葉生さん、蔡宛璇さんの音と空間の作品「北方的埔地」。
本当は藁が敷かれていたのですが、私たちが行ったときはもう次のイベントのために藁の作品は無くなってしまっていました。
北埔周辺の音やお茶を作る工程の音だけ聞くことができました。
郊外で展示されている作品
ここからは、北埔老街から少し足を伸ばして車で周辺にある作品を見に行きました。
劉致宏「時線」
赤い橋のすぐ近くにあるのは、劉致宏さんの「時線」という作品。
1と0で作られたライトが少しずつ傾きを変えながら並んでいます。
ロマンチック台三線芸術祭 提供
お昼に行ったので、わかりにくかったですが、ここは暗くなってから行くとライトが照らされてすごく幻想的な雰囲気になります。
新竹縣北埔鄉竹45鄉道
葉裁「客家容顏」
もう一つ見たかった展示がこちら北埔在住の写真家、葉裁さんの「客家容顏」という作品。
作品は南埔樂田園というカフェの中に展示してあります。
どれも半世紀ほど前の北埔地域の客家民族の方々や景色を撮影した写真。
ゆっくりコーヒーを飲みながらゆっくりと眺めたいものばかりでした。
新竹縣北埔鄉1鄰1-7號
徐世賢、南部鹹菜季 彩繪裝置「記憶的形狀」
駐車場に現れたのは、徐世賢さんの作品、南部鹹菜季 彩繪裝置「記憶的形狀」。
客家の鹹菜を作る過程をイラストにした作品。
徐世賢さんは「Pic.Nic」という名前で活動されている若手イラストレーター。
この作品は、何をしているのかみている人に考えさせたい作品とのことで、毎日書いているところを見にきていたお婆さんが最初は何を書いているのかわからなかったそうなのですが、描き終えた時「你在畫曬梅干菜對不對!(梅干菜を干しているところを描いていたんでしょ?!)」と気づいたとエピソードをFacebookに書かれていました。
新竹縣北埔鄉南埔2鄰17號
BK坊・MID手工單車「來南埔做山大王」
「記憶的形狀」から徒歩3分ほど歩いた場所にある作品は、BK坊・MID手工單車の「來南埔做山大王」。
「BK坊・MID手工單車」はパン屋さんです。
周りにはたくさんの薪があり、かまどで焼くパン屋さん。
パンのBakingと自転車のBikingを掛けた店名のこのパン屋さんは、オーナーのRioさんは、半年間を掛けて自転車で回ったという面白い経歴の持ち主。
BK坊・MID手工單車「來南埔做山大王」
残念ながらこの日はお店がお休みだったのでパンが食べれなかったんですが、写真展示は見ることはできました。
新竹縣北埔鄉南埔村30號
蕃薯伯x捕息工作室「北埔嗅吸之間」
この不思議なオブジェは蕃薯伯x捕息工作室の「北埔嗅吸之間」という作品。
昔の食料庫を使用し嗅いだり吸ったりする空間を作り上げたそうです。
中で休憩し、その土地の文化や生活などの味を吸いながら楽しむそんな空間とのこと。
北埔嗅吸之間の中の様子
鍵がかかっていて入れなかったんですが、窓があったので覗いてみると、こんなふうにお茶の葉?が上からぶら下がって干してあって、下の方にも何かおいてあるみたいでした。
焼き芋を作る堀
蕃薯伯は、その名の通り焼き芋を作ってくれるおじさん。
ちょうど子供たちとワイワイと焼き芋を作っているところでした。
新竹縣北埔鄉38號
おまけ
高平小舖の外観
「記憶的形狀」と「BK坊窯烤面包」すぐ近くに「高平小舖」という柿農家があります。
高平小舖の干し柿の様子
種つけから収穫まで全て自家農園で育てられた柿。
さらに伝統を守り太陽の日差しで干し柿を作っているので、質の良い安心安全なおいしい干し柿を買うことができます!
10月から1月くらいまでが干し柿の季節なので、是非この期間に行ってみてください。
1種類の箱売りしかなく、確か一箱200元ちょっとだったと思います。
新竹縣北埔鄉3鄰27號
イベントの感想
北埔老街には、至る所に猫がいました
このイベントが12月15日には終わっちゃうなんて、もったいなさすぎる!
特にIsaac Cordalさんの人形探しは、お父さんと一緒に宝探しをしているみたいで、とっても楽しかったです。
どこにあるのか探し回りながら、周辺の方に聞いて交流しながら、探していたので、現地の方とのコミュニケーションも取れて面白かったです。